お遍路さんを見かけると、自分も始めてみたいと思いますよね?
でも大変そうだなって思っていつも諦めちゃうな。
四国遍路は、弘法大師ゆかりの地を巡る旅路です。
- 弘法大師は讃岐(香川)生まれ
- 四国以外にも巡礼地があった
- 誰が四国遍路を始めたのか?
お遍路のルーツを知れば、実際に巡礼した時の感慨もひとしおです。
弘法大師の足跡と、四国遍路のルーツを辿ってみましょう。
※この記事の内容はあくまで説の一つです。
悟りの旅路「四国遍路」
四国遍路は、弘法大師ゆかりの地を「同行二人」で巡礼する修業の路です。
「同行二人」って何?
巡礼するときは常に弘法大師と一緒、という考えです。
お遍路さんが持っている杖(金剛杖)は弘法大師の分身。
最近は装束もラフになってきていますが、金剛杖は持っておきたいアイテムの一つですね。
巡礼するお寺の順番も決まっています。(例外あり)
- 発心の道場・徳島
- 修業の道場・高知
- 菩提の道場・愛媛
- 涅槃の道場・香川
他はなんとなくわかるけど、発心は何だろう。
悟りを開く修業を決心した、という意味です。
しかし、この順路が固定したのは江戸時代ごろ。
最初の路がどんな順序だったのかは、分かっていないのです。
そもそもどうして四国なの?
そもそもどうしてお遍路は「四国」で行われるのでしょうか。最初に弘法大師がどこで、いつ生まれたのか見てみます。
弘法大師は香川生まれ
弘法大師は奈良時代(774年)香川県に生まれました。
幼名は真魚(まお)。
現在の善通寺の近くに生まれ、幼い頃から信心深かったそうです。
弘法大師、まさかの四国出身!
当時は出家にも朝廷の許可が必要だったので、それまでは京都で学問を学び、四国や和歌山の山々で修業を行っていたそうです。
四国では
- 徳島県の大瀧嶽
- 高知県の室戸岬
- 愛媛県の石鎚山
などに記録が残っています。
庶民の幸せは後回しになってしまっていまいがちだったそう。
当時の四国でも様々な地で飢饉が起きていました。
何か思う所があったのでしょう。
正式に出家した後、弘法大師は唐に行って(入唐)2年で仏教のすべてを教わります。
そうして生まれたのが「真言宗」
だからゆかりの地がいっぱいあるんだね。
巡礼地は四国だけじゃなかった
弘法大師が生まれたのは香川なのに、発心の道場が徳島なのは違和感があるなあ。
と思う方もいると思います。
実は当時、巡礼地は他にもあったのです。
「西国三十三所」が特に有名ですね。
最初の札所が徳島になった原因では、と言われています。
時代と共に、西国三十三か所と四国遍路がツアーのようになる。
⇒畿内から入りやすい徳島が最初の地になった。
思っていた以上に合理的な経緯…。
四国遍路を始めたのは誰?
実は四国遍路がいつ、どうやって始まったのかはあまり分かっていません。「弘法大使が大厄の時に四国を廻り始めた」というものが有名ですが、裏付けの資料がないのが実情。
僧が修行をする閉ざされた場だったので、本当のところは良く分かりませんでした。
その中でも、3つの説が残っています。
1.弘法大師の弟子・親済説
弘法大師の弟子が、弘法大師の足跡を巡礼した説。
江戸時代に出版された本に記載があります。
しかし「あくまで一説」と書かれているので信憑性はかなり低め。
2.河野右衛門三郎説
伊予の河野右衛門三郎が始めたとする説。
当時、土地と年貢の取り立てを管理していた河野右衛門三郎。
ある日修行僧から托鉢を乞われたのですが、ケチで欲張りな右衛門三郎は頑なに拒否。
持っていた農具で修行僧の持っていた托鉢を叩き割ってしまいました。
その後、右衛門三郎の身に次々と不幸が…。
そんなある日、右衛門三郎の夢の中に弘法大師が出てきます。
弘法大師の話を聞き、心を入れ替えた右衛門三郎は旅に出ました。
何度も四国を廻り、ついには弘法大師に会うことが叶います。
⇒彼が廻った場所が四国遍路となったというお話。
三つの説の中では一番有名ですが、信仰や伝説の域を出ていません。
こちらも事実なのかは分かりませんね。
3.四国が僧侶の修験場となっていた
説の中で一番資料が残っているものになります。
平安末期に著作された「今昔物語集」に、仏の路を目指す僧侶が「四国の辺地と海辺を廻った」との描写が。
同じ時期の作品「梁塵秘抄」にも、四国へ修行に向かう修行僧の様子が描かれています。
一番有力な説ではありますが、どれを信じるかはその人の自由。
結局のところは、自分が1番アガる!と思ったものを信じるのが楽しくて良いのかも知れませんね。
※歩き遍路ガイドブック↓
まとめ
今回は四国遍路のルーツと弘法大師について紹介しました。
- 弘法大師の出身は香川県
- 四国各地の山々で修業をしていた
- 最初は違う順路だったかも?
- 四国遍路が有名になる前は僧が荒行をしていた
今は本当の事を知りたいような、知りたくないような気分だな。
そうですね…でも弘法大師を信じる気持ちはずっと変わらないものだと思います。
伝説や逸話の中に、弘法大師の教えや面影を感じる事も一つの醍醐味。
実際に巡礼をしてみると、自分なりの新しい発見が出来るようになるかも知れません。
※四国八十八ヶ所霊場
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